【映画情報】
題名:マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙(原題:The Iron Lady)
ジャンル:伝記
監督:フィリダ・ロイド
出演者:メリル・ストリープ、ジム・ブロードベント、アンソニー・スチュワート・ヘッド
製作会社:パテ、フィルム4、UKフィルム・カウンシル
配給:ワインスタイン・カンパニー、20世紀フォックス、ギャガ
公開:2011年12月30日[米国](限定)、2012年1月6日[英国]、2012年1月13日[米国](拡大)、2012年3月16日[日本]
上映時間:105分
製作国:イギリス
言語:英語
【評価】
おすすめ度:62点(100点満点中)
【あらすじ・ストーリー・物語】
英国史上初の女性首相で鉄の女という異名をとったマーガレット・サッチャー元英国首相(メリル・ストリープ)は政界を引退し、夫のデニス・サッチャー(ジム・ブロードベント)が亡くなって8年、彼女は認知症を患っていた。そのため、彼女は意識に夫が現れるという幻覚を見ることもしばしばだった。そして、彼女は自分の半生に起こった昔の出来事を回想してゆく。
小さな雑貨商の娘として生まれたマーガレット(アレクサンドラ・ローチ)はオックスフォード大学へ進学する。卒業後、彼女は若くして政治家を志し下院議員選挙に出馬するが落選してしまう。そんな彼女を支えプロポーズしてくれたのはデニス・サッチャー(ハリー・ロイド)だった。専業主婦にならないという条件を認めさせたマーガレットはデニスと結婚し、双子の男女(息子:マーク、娘:キャロル)をもうける。その後、マーガレット・サッチャーは選挙に当選し英国国会議員となる。マーガレット・サッチャーは保守党の党首選挙に出馬し、保守党の党首に選出された彼女は英国の女性初の首相となる。英国首相となったマーガレット・サッチャーは強力なリーダーシップのもと自己の政策を実行していく。ところが、国民の反発と保守党の内部での孤立により支持を失った彼女は11年務めた首相の座から降ろされてしまう。
【レビュー・感想・ネタバレ】
この映画の見所は何と言ってもマーガレット・サッチャー役のメリル・ストリープの容貌と演技であろう。見事としか言いようがない。
ただ、映画として見た場合、それほど面白い内容ではなかった。映画は、認知症になってしまっている現在のサッチャー女史を中心に描いていて、彼女の業績は回想へと追いやられているのである。そのため、サッチャー女史を貶めるいるかのような印象を受けてしまう。こういうかたちでサッチャー女史を描くことに意味があるのだろうかと疑問さえ感じてしまうのである。製作者側の醜悪というか悪意さえ感じてしまう。あの鉄の女のマーガレット・サッチャー女史が今ではこんなふうに惨めで憐れなことになってしまってるよと暴露することで興味本位をかき立て興行収入を上げようとして製作されたのではないかとさえ勘ぐってしまいたくなる。
映画の中ではサッチャー女史は夫のデニスの幻覚をよく見ているのだけれどもこれは本当のことなのだろうか。もし、事実でないならこのようなフィクションはすべきではないと思う。映画を見た者がサッチャー女史の認知症の症状を誤解してしまいかねないからである。
同じマーガレット・サッチャー女史を描くなら、若い時代から晩年へと年齢を追っていくべきであろう。
【キャスト・配役・出演者】
マーガレット・サッチャー(メリル・ストリープ、若年期:アレクサンドラ・ローチ)
デニス・サッチャー(ジム・ブロードベント、若年期:ハリー・ロイド)
キャロル・サッチャー(オリヴィア・コールマン)
ジェフリー・ハウ(アンソニー・ヘッド)
マイケル・ヘーゼルタイン(リチャード・E・グラント)
ダグラス・ハード(ポール・ベントレー)
ジョン・メージャー(ロビン・カーモーディ)
エドワード・ヒース(ジョン・セッションズ)
ゴードンリース(ロジャー・アラム)
マイケル・フット(マイケル・ペニングトン)
ジョン・ノット(アンガス・ライト)
フランシス・ピム(ジュリアン・ワダム)
ロナルド・レーガン(レジナルド・グリーン)
【スタッフ】
監督:フィリダ・ロイド
脚本:アビ・モーガン
製作:ダミアン・ジョーンズ
製作総指揮:フランソワ・イヴェルネル、アダム・キューリック、キャメロン・マクラッケン、テッサ・ロス
音楽:トーマス・ニューマン
撮影:エリオット・デイヴィス
編集:ジャスティン・ライト
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