【映画情報】
題名:トータル・リコール(原題:Total Recall)
リメイク:1990年の映画『トータル・リコール』のリメイク作品
ジャンル:SFアクション
監督:レン・ワイズマン
出演者:コリン・ファレル、ジェシカ・ビール、ケイト・ベッキンセイル
製作会社:オリジナル・フィルム
配給:コロンビア映画、ソニー・ピクチャーズ
公開:2012年8月2日[米国]、2012年8月10日[日本]
上映時間:118分、130分[ディレクターズ・カット版]
製作国:アメリカ合衆国、カナダ
言語:英語
【評価】
おすすめ度:90点(100点満点中)
【あらすじ・ストーリー・物語】
21世紀末、大量化学兵器の使用により地上のほとんどに住めなくなった人類は、富裕層の住むヨーロッパ地域にあるとしたブリテン連邦(the United Federation of Britain、UFB)と、貧困層の住むオーストラリア地域のコロニーとに別れていた。貧困層の住民は地中のコアを通過して地球の反対側へ達する巨大なエレベーター「フォール」に乗ってUFBへ労働のため通勤していた。
やがてコロニーの中からUFBからの独立と解放を目指す反体制派のレジスタンスが現れ、マサイアス(ビル・ナイ)をリーダーとしてテロ活動を行うようになっていた。一方、UFBの代表コーヘイゲン(ブライアン・クランストン)はレジスタンスを抑えるためにロボット警官のシンセティックを増産しようとしていた。
コロニーで美しい妻のローリー(ケイト・ベッキンセイル)と暮らす工場労働者のダグラス・クエイド(コリン・ファレル)は、毎夜警察に追われ見知らぬ女性と病院を脱出するという同じ夢を見ていた。
自分の望む人口記憶を上書きしてくれるという人工記憶センターのリコール社に興味を持っていたダグラス・クエイドは、同僚のハリー(ボキーム・ウッドバイン)からは脳障害になった者もいるから行かないほうがいいと忠告されていたが、ある日ダグラスはリコール社の店舗を訪れてしまう。
ところが、リコール社で記憶を書き換えようとしたとき、突然ダグラスは警官に襲われる。彼は咄嗟に工員とは思えない戦闘能力を無意識に発揮してその場から逃げ切る。自宅へ帰った彼は今度は愛する妻のローリーから襲われることになる。ローリーは彼に、この世にダグラス・クエイドという人物は存在しないこと、彼は過去の記憶を消されて新しい記憶を植え付けられていること、自分は彼を監視するために妻になりすましていたことを告げる。
自分を殺そうと追い掛けてくるローリーを振り切ったダグラス・クエイドは、逃亡の最中に見知らぬ人物からメッセージを受け取る。そして、ローリーと警官ロボットに追い詰められたとき、自分の救ってくれたのは毎夜夢に登場していたメリーナ(ジェシカ・ビール)という女性であった。
現在目の前で起こっているこの出来事は一体どういうことなのか?現実なのかそれともリコール社で受けた人口記憶なのか?自分の正体は誰なのか?自分の記憶はどういなったのか?何も理解できず事態を呑み込めないまま逃亡を続けるったダグラス・クエイドは、ブリテン連邦とコロニーの運命を変える戦いに巻き込まれていく・・・。
【レビュー・感想・ネタバレ】
本作はアーノルド・シュワルツェネッガー主演の1990年の映画『トータル・リコール』のリメイク作品ということで、ダグラス・クエイドことハウザー役を演じているコリン・ファレルさんのイメージが作品にそぐわないのではないかと密かに心配していたくらいである。ところが、本作は文句なしに面白かった。ここまで面白い作品はなかなかないと思えるくらいだ。私はオリジナル版を何度か見たのであるが、オリジナル版よりも面白いのではないかとさえ思えた。尤も、オリジナル版の内容はかなり忘れてしまっているので、もう一度オリジナル版のほうを確認してからでないと正確なことは言えない。
ダグラス・クエイドの正体は、実は、労働者の記憶を上書きされたUFB側の腕利き諜報員カール・ハウザーという人物であったのである。ところが、カール・ハウザーは諜報活動で潜入したレジスタンスの組織で、マサイアスとレジスタンスのことを深く知るようになり彼等の味方につくようになったのである。ところが、UFB側に捕らえられダグラス・クエイドの記憶を受け付けられたわけである。UFB側がカール・ハウザーにそのようなことをした理由は、彼が敵の側につくことが脅威であったため記憶を消したということが考えられる。もう一つの理由としては、彼に偽の記憶を植え付けることでいずれレジスタンスのリーダーであるマサイアスと接触するのではないかという目論見があったことも考えられる。
案の定、ダグラス・クエイドはレジスタンスの隠れ家へ行きマサイアスと会う。そのお陰で、UFB側はその場所を突き止め、UFB代表のコーヘイゲンはやっとマサイアスを殺すことに成功する。
ラストの結末は、カール・ハウザーとメリーナの活躍で、UFB代表のコーヘイゲンを倒し、巨大エレベーター「フォール」も爆破する。その後、カール・ハウザーはメリーナになりすましたローリーを殺す。そして政治体制が変わることになる。
本作ではリコール社の広告以外、ダグラス・クエイドの身に起きた出来事が人口記憶であると示すものがない。そのため、すべて現実だったのではないかと考えるほうが勝っているようになっている。
本作には、どうやら劇場版とディレクターズカット版があるようで、若干内容が異なるようである。今回見たのは劇場版のほうだったので、機会があればオリジナル版と本作のディレクターズカット版を見てみたい。
【キャスト・配役・出演者】
ダグラス・クエイド/カール・ハウザー(コリン・ファレル)
メリーナ(ジェシカ・ビール)
ローリー(ケイト・ベッキンセイル)
コーヘイゲン(ブライアン・クランストン)
ハリー(ボキーム・ウッドバイン)
マクレーン(ジョン・チョー)
マレック(ウィル・ユン・リー)
マサイアス(ビル・ナイ)
【スタッフ】
監督:レン・ワイズマン
原作:フィリップ・K・ディック『追憶売ります』
脚本:マーク・ボンバック、カート・ウィマー
原案:ロナルド・シャセット、ダン・オバノン、ジョン・ポービル、カート・ウィマー
製作:トビー・ジャッフェ、ニール・H・モリッツ
製作総指揮:リック・キドニー、レン・ワイズマン
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
撮影:ポール・キャメロン
編集:クリスチャン・ワグナー
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