【映画情報】
題名:地球が静止する日(ちきゅうがせいしするひ、原題:The Day the Earth Stood Still)
ジャンル:SFアクション
オリジナル作品:1951年に公開されたロバート・ワイズ監督の『地球の静止する日』のリメイク
監督:スコット・デリクソン
出演者:キアヌ・リーブス、ジェニファー・コネリー
配給:20世紀フォックス
公開:2008年12月12日[米国]、2008年12月19日[日本]
上映時間:106分
製作国:アメリカ合衆国
言語:英語
【評価】
おすすめ度:64点(100点満点中)
【あらすじ】
宇宙から地球へ謎の光を放つ青色と白色のまだら模様の球体が飛来して来てマンハッタンのセントラルパークに着陸する。軍隊が包囲する中、球体から現れたのは人間の姿をした生命体と巨大なロボットゴートだった。兵士の一人が誤って発砲した銃弾で倒れた生命体を医療施設へ運び、政府から緊急招集されているヘレン・ベンソン(ジェニファー・コネリー)が治療をしていると、生命体を覆っていた皮が剥がれ落ち人間の男そっくりの姿が現れた。男はヘレン・ベンソンの手助けもあって医療施設から脱走する。
脱走後、男はヘレン・ベンソンに自分の名前をクラトゥ(キアヌ・リーヴス)と名乗り、地球を人間から救うためにやって来たと告げる。巨大な球体は人間以外の地球上の生物を乗せる船だったのである。ヘレン・ベンソンは彼にまだ地球を代表する人物に会っていないと言い、カール・バーンハート教授(ジョン・クリーズ)に引き合わせる。カール・バーンハート教授はクラトゥに人間は変われる可能性があると説得を試みる。ところが、ヘレン・ベンソンの死別した夫の連れ子ジェイコブ(ジェイデン・スミス)の通報によって、説得の最中に軍隊のヘリコプターが現れそこから逃亡せざるを得なくなる。その途中、クラトゥはジェイコブにお墓の前で死んだ父親を生き返らせてほしいと懇願される。
一方、人間によって回収されていたロボットゴートが小さな虫に分裂し、地上の物質を破壊し始める。そして、クラトゥとの交渉の全権はヘレン・ベンソンとジェイコブに委ねられることになる。しかし、虫はヘレン・ベンソンとジェイコブの体内にも入り込んでしまう。ヘレン・ベンソンは自分の命を省みず血のつながりのない義理の息子ジェイコブの命を助けてほしいとクラトゥへ懇願する。自分を犠牲にしてもジェイコブを助けて欲しいと願うヘレン・ベンソンの親子愛の姿にクラトゥは人類への希望を見出す。クラトゥはヘレン・ベンソンとジェイコブを助け、自らは虫の破壊活動を止めるべく巨大な球体へと入り込んで行く。
【レビュー・感想・ネタバレ】
《2回目》
ラストではクラトゥが巨大な球体に入ることで虫の破壊活動はストップし人類は助かる。そして、球体は地球を去って行く。
この映画では各国(特にアメリカ合衆国)の政治的指導者(政治家)の無能と愚かさが描かれている。アメリカ合衆国の大統領など政治行動をレジーナ・ジャクソン国防長官(キャシー・ベイツ)に任せきりで、自分はどこかへ雲隠れして隠れている。しかし、現実の政治的指導者(政治家)はもっと賢明であり、クラトゥと正式な交渉を試みるのではないかと思う。
1回目と違ってあらすじが分かっているので、SFアクション大作を期待していたのに落胆させられるということはなかった。
この映画には人類が地球の自然を破壊しているという警鐘の意味も込められていて、今なら何とか自然環境を守れるのだから自然を大切にするよう人間が変わろうと言っている。映画のメッセージ自体は重要なものを含んでいると言って良い。
今回気がついたことであるが、米軍大佐役を演じていたのは、『プリズン・ブレイク』でセオドア・"ティーバッグ"・バッグウェル役や『HEROES』でサミュエル・サリヴァン役を演じていたロバート・ネッパーだということだ。
《1回目、劇場》
本作は映画館のプラット赤穂シネマへ行って劇場で見た。
一緒に見に行ったあややはキアヌ・リーブスが出演しているということで物凄く期待していたらしい。見終わった後、期待外れに終わったようで不満だったようである。
私は特に期待していたわけではないので期待外れという感じはなかった。ただ、あややがそれほど面白くなかったという感想はわかる気がした。私もちょっと物足りない感じがしたからである。
この映画の主題は、チェンジということなのだということはよくわかる。人は変われるのだということを言いたいのだということは映画の中の場面で随所に出て来る。それは、それなりにわかる。
ただ、この映画で一番の問題は、クラトゥ(キアヌ・リーヴス)が人類の滅亡を止めた理由が納得できない点であろう。クラトゥはヘレン・ベンソン(ジェニファー・コネリー)をはじめ極少数の人間に接しただけで、人類の抹殺を中止している。しかし、地球から人間を抹消するという問題は、単に個人と個人とのやり取りだけで片が付くような問題ではないはずである。アメリカ合衆国大統領は宇宙人を攻撃する命令を下して実行している。アメリカ合衆国という1国の代表に過ぎないにせよ、1国を代表する大統領でさえ何も変わっていないのである。
もっと言えば、これだけ下調べまでする宇宙人がいきなり人類を抹殺しようとしたことが解せない。この映画で取られている手段はある意味伝家の宝刀ともいえる最後の手段であり、そこに至るまでに警告を発し、人類と交渉するのが通常考えられる過程ではないだろうか。それなのに、そうした外交努力をすることなく、いきなり制裁を加える行動を取ったことは乱暴に過ぎないだろうか。
そうこともあって、この映画のストーリー展開には納得できかねるところがある。
もっとも、私はそこそこ楽しめはしたが、お金を払ってまで映画館へ行くほどでもなかったかなあとは思う。
【キャスト】
クラトゥ(キアヌ・リーヴス)
ヘレン・ベンソン(ジェニファー・コネリー)
ジェイコブ・ベンソン(ジェイデン・スミス)
レジーナ・ジャクソン国防長官(キャシー・ベイツ)
マイケル・グレイニア博士(ジョン・ハム)
カール・バーンハート教授(ジョン・クリーズ)
ジョン・ドリスコル(カイル・チャンドラー)
米軍大佐(ロバート・ネッパー)
Mr.ウー(ジェームズ・ホン)
マイロン博士(ジョン・ロスマン)
クイン大将(ロジャー・クロス)
チン・フェ博士(リョウタ・ハセガワ)
イケガワ博士(ヒロ・カナガワ)
【スタッフ】
監督:スコット・デリクソン
脚本:ライン・ダグラス・ピアソン、デヴィッド・スカルパ
製作:ポール・ハリス・ボードマン、グレゴリー・グッドマン、アーウィン・ストフ
音楽:タイラー・ベイツ
撮影:デヴィッド・タッターサル
編集:ウェイン・ワーマン
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