【映画情報】
題名:RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語(レイルウェイズ よんじゅうきゅうさいででんしゃのうんてんしになったおとこのものがたり)
シリーズ:映画「RAILWAYS」シリーズ第1作目、錦織良成監督の「島根」シリーズの第3作目
ジャンル:ドラマ
監督:錦織良成
出演者:中井貴一、高島礼子、本仮屋ユイカ、三浦貴大、奈良岡朋子
配給:松竹
公開:2010年5月29日
上映時間:130分
製作国:日本
言語:日本語
【評価】
おすすめ度:85点(100点満点中)
【あらすじ・ストーリー・物語】
大手家電メーカーの経営企画室長である筒井肇(中井貴一)は仕事一筋の会社人間で、同期で友人の京陽電器工場長である川平吉樹(遠藤憲一)に工場の閉鎖を依頼し、取締役への昇進が内定しサラリーマンとして順風満帆の道を歩んでいた。筒井肇は妻子とともに東京の自宅で暮らしていた。妻の筒井由紀子(高島礼子)は自分の店を持って経営していた。娘の筒井倖(本仮屋ユイカ)は家庭を顧みない父親に批判的であった。
ある日、故郷の島根の実家で一人で住んでいる筒井肇の母親が倒れたという知らせを受ける。病院へ駆けつけた筒井肇は医師から母がガンであることを聞かされる。
同じ頃、筒井肇は同期の川平吉樹が交通事故で亡くなったという知らせを聞く。
筒井肇は母の病気と友人の死という現実に直面して、今までの仕事に追われる自分の生き方を振り返るようになる。そして、子どもの頃の夢だった「一畑電車(バタデン)の運転士になる」ことを思い出す。ちょうど一畑電車では社員を募集していることを知った筒井肇は、母の看病のこともあり、現在の会社を退職して一畑電車の社員募集に応募する。筒井肇は50歳近い年齢だったが無事に面接を受け、一畑電車の社員として中途採用される。
筒井肇は東京で鉄道職員としての講習と研修を受講し、晴れて一畑電車(バタデン)の運転手となる。
【レビュー・感想・ネタバレ】
私はこの映画「RAILWAYS」シリーズでは、第2作目の「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」のほうを先に見て内容が良質だったので、前作にあたる本作も見てみる気になった。そしたら、本作は次作よりも内容が良くて、見て良かったと思った。
筒井肇がサラリーマンの頃に仕事に追われて余裕がない状態からバタデンの運転手になってから活き活きとした状態へ変化する様は、私達に仕事の重要性を教えてくれる。サラリーマン時代の筒井肇は家族にも思いやりに欠けるところがあったが、バタデンの運転手になってからは他人のも優しく親切になっている。
本作では、筒井肇の路線変更は父親に批判的な娘の筒井倖の存在がキーパーソンになっているように思われる。娘の筒井倖が父親の筒井肇の翻意のどれだけ影響を与えたのかはよく分からないが、筒井肇は娘に批判されないような父親になろうという気持ちがあったのではないだろうか。
東京で店を経営している妻の筒井由紀子と島根でバタデンの運転手となった筒井肇の夫婦関係も見逃せない。お互いに別居することになるが、お互いに相手の状態を受け入れ夫婦としてやっていこうとしている。
筒井肇と同期で同僚の新人運転手である宮田大吾(三浦貴大)も重要な存在である。宮田大吾は高校野球の選手だったが肘の故障でプロ野球の選手になるという夢を絶たれるという経歴の持ち主であった。バタデンの運転手になるのが夢だった筒井肇と夢を絶たれて仕方なくバタデンに就職した宮田大吾の触れ合いも見所である。
ただ、この映画では、一番重要だと思われる筒井肇が会社を辞めてバタデンに運転手になろうと思った心の変化の場面が描き切れていないように思う。母の病気と友人の死が転機となったことは分かるのであるが、筒井肇がどこの場面で考えた変わり転職を決意したのかが見ていてもよく分からないのである。それがちょっと残念かなと思える部分である。といっても、非常の満足度の高い作品であった。
【キャスト・配役・出演者】
筒井肇(中井貴一)
筒井由紀子[肇の妻](高島礼子)
筒井倖[肇の娘](本仮屋ユイカ)
宮田大吾[肇の同僚の新人運転士](三浦貴大)
筒井絹代[肇の母](奈良岡朋子)
大沢悟郎[一畑電車社長](橋爪功)
石川伸生[一畑電車運輸営業部長](佐野史郎)
森山亜紀子[絹代の介護士](宮崎美子)
川平吉樹[京陽電器工場長/肇の同期](遠藤憲一)
西田了[漁師/肇の同級生](中本賢)
福島昇[一畑電車運転士/肇の指導係](甲本雅裕)
高橋晴男[一畑電車車両課長](渡辺哲)
薮内正行[一畑電車運転士](緒形幹太)
田窪俊和[一畑電車指令室](石井正則[アリtoキリギリス])
長岡豊造[絹代の同級生](笑福亭松之助)
教習所の教官(南田裕介)
新聞記者(土屋武之)
一畑電車役員(阿部秀司)
【スタッフ】
監督:錦織良成
脚本:錦織良成、ブラジリィー・アン・山田、小林弘利
製作総指揮:阿部秀司
製作:加太孝明、百武弘二、野田助嗣、平城隆司、亀井修、藤川昭夫、久松猛朗、春山暁、大橋善光
エグゼクティブ・プロデューサー:藤巻直哉、関根真吾
プロデューサー:石田和義、小出真佐樹、北詰裕亮、上田有史
ラインプロデューサー:鈴木剛
Coプロデューサー:佐藤唯史
音楽:吉村龍太
撮影:柳田裕男
照明:吉角荘介
美術:磯見俊裕
録音:小宮元
編集:日下部元孝
スクリプター:赤澤環
音響効果:渋谷圭介
助監督:蔵方政俊
制作担当:濱崎林太郎
企画・制作プロダクション:ROBOT
製作:ROBOT、博報堂DYメディアパートナーズ、松竹、テレビ朝日、小学館、日本海テレビ、衛星劇場、京王エージェンシー、読売新聞
協賛:東芝キヤリア
配給:松竹
【楽曲】
主題歌:「ダンスのように抱き寄せたい」松任谷由実
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