書道ガールズ!! わたしたちの甲子園

「書道ガールズ!!私たちの甲子園」BD [Blu-ray]

【映画情報】

題名:書道ガールズ!! わたしたちの甲子園(しょどうがーるず わたしたちのこうしえん)
ジャンル:青春学園ドラマ
監督:猪股隆一
製作会社:日テレ アックスオン
配給:ワーナー・ブラザーズ
公開:2010年5月15日
上映時間:121分
製作国:日本
言語:日本語

【評価】

おすすめ度:85点(100点満点中)

【あらすじ】

 愛媛県立四国中央高等学校書道部では、部員の岡崎美央(山下リオ)が書道部を退部してから、部長の早川里子(成海璃子)は副部長の篠森香奈(桜庭ななみ)をはじめ他の部員と書道に取り組む姿勢で衝突ばかりしていた。そんな折、顧問の先生が産休になり代用教員としてやって来た池澤宏人(金子ノブアキ)が書道部の顧問になる。池澤宏人は書道にくわしいのか早川里子の書を見てつまらない字だと言い切ってしまう。ところが、池澤宏人は自分には人を教える資格がないと言い、顧問として部員を教える気はまったくない。それなのに、池澤宏人は校庭で生徒の前で大きな紙に大きな筆で書道パフォーマンスを行う。

 それを見た好永清美(高畑充希)は父親が文房具屋を閉店日に人を集めるため書道パフォーマンスを行うことを思いつく。地方の町である商店街は閉店が相次いでいて商店街は閑散とするようになってしまっていて、好永清美の父親の店も例外ではなかった。そんな事情を知らない早川里子は部室を練習することを禁止してしまう。篠森香奈の取り成しで早川里子は公園で練習している好永清美のもとへ行き書道部の全員が閉店セールの書道パフォーマンスを行うことになる。ところが、せっかくの書道パフォーマンスは好永清美(は大失敗してしまう。それでも、父親は喜んでいて嬉しそうだった。好永清美は引越と同時に転校していく。

 上質な紙を手作りしていた高田智也の祖父(織本順吉)は紙の価格が高いという理由で全然売れないことに悲嘆にくれてせっかく作った紙を燃やしているうちに紙工場まで燃やしてしまい火事になって倒産してしまう。

 早川里子ら書道部の部員はさびれていく町を活気づけるため書道パフォーマンスを開催することを思いつく。書道部の部員は書道パフォーマンスの広告宣伝活動に乗り出す。早川里子は書道家の父親(山田明郷)から書道パフォーマンスを反対される。早川里子は父親に自分の書を認めてもらいたくて書道をやっていたのである。しかし、この時ばかりは早川里子は父親の意に反して自分の考えや思いを述べる。

 早川里子は篠森香奈から岡崎美央の家庭の事情で書道の練習ができなくなっていたことを聞かされる。そして、書道部員の全員は書道部を退部した元部員の岡崎美央のもとへ行き、書道パフォーマンスに参加してほしいと訴える。岡崎美央は母親の後押しもあって書道パフォーマンスに参加することになる。

 さらに、早川里子は顧問の池澤宏人を説得し書道を教えてもらうことになる。

 書道部員の広告宣伝活動のかいもあって、県内や県外からの参加校もあらわれて、テレビ番組でも取り上げられるようになる。そして、遂に書道パフォーマンスの当日を迎える。

 参加校の書道パフォーマンスが披露されるなか、中央高等学校書道部の番となる。男子部員と女子部員が共同して地元の絵を描き、そのあと女子部員が書を書いていった。ところが、最後の文字のところで失敗してしまう。しかし、早川里子は諦めずに続けて書を完成させる。その書には「再生」という文字が書かれてあった。

【レビュー・感想・ネタバレ】

《2回目》

 映画の出だしは過剰な演出が嫌みに見えたが、1回目見たときよりも2回目見たときのほうが感動が大きかった。

 地方の町に住む私は商店街のお店が相次いで閉店している実情を目にして寂しく感じているので映画の中の商店街と好永清美の父親の文房具屋の閉店など共感できた。また、いい紙を作っても買ってくれるお客さんがいない高田智也の祖父の悲しみも、私の仕事にも同様の似たところがあって共感できた。

 それでも、この映画は「諦めない」ということを一番イイタイコトとしてメッセージを贈ってくれている。見ていて感動する場面が何カ所もあった。

《1回目》

 この映画の物語は作り話かと思っていたら、映画の終わりに実話に基づいているという表記が表示された。どうやら愛媛県四国中央市の愛媛県立三島高等学校書道部がモデルになっているらしい。日本一の紙の町である地元を盛りあげようと地元のイベントやショッピングセンターなどで書道パフォーマンスを行ったのをマスコミが取り上げるようになったことがきっかけらしい。映画の中の話と同じである。

 書道部という一見地味なクラブ活動を通して感動的な作品になっているのには感心した。

【キャスト】

早川里子[愛媛県立四国中央高等学校書道部部長](成海璃子)
篠森香奈[愛媛県立四国中央高等学校書道部副部長](桜庭ななみ)
岡崎美央[愛媛県立四国中央高等学校書道部](山下リオ)
好永清美[愛媛県立四国中央高等学校書道部](高畑充希)
山本小春[愛媛県立四国中央高等学校書道部](小島藤子)
池澤宏人[愛媛県立四国中央高等学校書道部顧問の臨時教師](金子ノブアキ)
市ノ瀬誠[愛媛県立四国中央高等学校書道部](森崎ウィン)
中野卓也[愛媛県立四国中央高等学校書道部](森岡龍)
村上悟[愛媛県立四国中央高等学校書道部](坂口涼太郎)
高田智也[里子の幼なじみ](市川知宏)
袴田先生(袴田吉彦)
早川里子の父(山田明郷)
早川里子の母(朝加真由美)
岡崎美央の母(宮崎美子)
好永清美の父(おかやまはじめ)
高田智也の祖父(織本順吉)
伊予寒川駅駅員(森本レオ)
岡山県倉敷工芸高等学校書道部
愛媛県立三島高等学校書道部
埼玉県立川口高等学校書道部
埼玉県立松山女子高等学校書道部
商店街の魚屋の主人(羽鳥慎一[日本テレビアナウンサー])
テレビ局のキャスター(山本舞衣子[日本テレビアナウンサー])

【スタッフ】

監督:猪股隆一
脚本:永田優子
製作指揮:宮崎洋、城朋子
製作者:大山昌作
エグゼクティブプロデューサー:奥田誠治
音楽:岩代太郎
撮影:市川正明
編集:松竹利郎

【楽曲】

主題歌:FUNKY MONKEY BABYS『大切』(DREAMUSIC)

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幸福の黄色いハンカチ

幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター [Blu-ray]

【映画情報】

題名:幸福の黄色いハンカチ(しあわせのきいろいはんかち)
ジャンル:ロードムービー
監督:山田洋次
出演者:高倉健、武田鉄矢、桃井かおり、倍賞千恵子
製作会社:松竹
配給:松竹
公開:1977年10月1日
上映時間:108分
製作国:日本
言語:日本語

【評価】

おすすめ度:80点(100点満点中)

【あらすじ】

 北海道へ失恋の旅にマツダのファミリア[4代目のFRファミリア]で出掛けた花田欽也(武田鉄矢)は網走の駅前で小川朱美(桃井かおり)という若い女性をナンパし二人でドライブをすることになる。ドライブの途中で寄った二人は記念写真を撮ってもらうために近くにいた中年の男性である島勇作(高倉健)に声を掛けたのがきっかけで三人でドライブすることになる。しかし、島勇作は殺人を犯して刑務所を出所したばかりだということがわかる。それでも、花田欽也と小川朱美は島勇作を車に誘ったことで、島勇作は二人に過去を話し始める。島勇作には逮捕後に離婚した元妻がいたのであった。そして、その元妻へ出所後に「まだ1人でいて自分を待っててくれたなら黄色いハンカチをあげておいてくれ。黄色いハンカチがなかったら自分はそのまま姿を見せずに夕張を去るから」と書いた1枚のハガキを出していた。

【レビュー・感想・ネタバレ】

 久しぶりに山田洋次監督の『幸福の黄色いハンカチ』を見た。確か昔のテレビ放映で最低でも1度はきちんと全部見ていると思う。ちゃんと全部見ていないのも含めれば、もしかして2〜3度は見ているのかもしれない。

 今回この『幸福の黄色いハンカチ』を見て、単純な物語ながら良い話だと思えた。シンプルなストーリーをおもしろおかしくしているのは武田鉄矢さんと桃井かおりさんのユーモラスな演技に負うところが大きい。花田欽也と小川朱美片は若い貪欲な恋愛である。片や、高倉健さんと倍賞千恵子さんは男と女の真剣な純愛を演じている。若いカップルと中年の元夫婦の関係が良い意味での好対照になっている。

 花田欽也は小川朱美片を口説いて何とか関係を持とうとしている。ほとんどの男は女と関係は持ちたいが責任は持ちたくないという本音を持っている。それに対して、島勇作は花田欽也に「女は弱いんや。男ちゅうもんは女は守ってやらにゃいかん」と男の女に対する姿(態度)を諭している。男は遊べる女を求めているが、女は自分を守ってくれる男を求めている。この映画では男女関係の真実を浮き彫りにしている。(独白になるが、女は自分を守ってくれる男を待っていてくれるということなのか・・・。映画はそれを言いたかったのか。)

 妊娠の時は竿の先に1枚の黄色いハンカチがあげられていたのに対して、出所後の時は何枚もの黄色いハンカチがあげられたいたのは対照的で印象に残る好対照である。映画のクライマックスとも言えるほっと安心できる場面である。車が家に近づいて黄色いハンカチがあがってはためいているのを見て本当に良かったと思えた。私は島勇作が島光枝に近づいて二人が再会するシーンで涙が出そうになった。

 本作は、日本のロードムービーを代表する作品(代表作)だけでなく、日本映画の中でも名作と言って良いだろう。

【キャスト】

島勇作(高倉健)
島光枝(倍賞千恵子)
花田欽也(武田鉄矢)
小川朱美(桃井かおり)
帯広のヤクザ風(たこ八郎)
旅館の親父(太宰久雄)
ラーメン屋の女の子(岡本茉利)
検問の警官(笠井一彦)
農夫(小野泰次郎)
チンピラ(赤塚真人)
渡辺係長(渥美清)

【スタッフ】

監督:山田洋次
原作:ピート・ハミル 「黄色いリボン」(『ニューヨーク・スケッチブック』所収、高見浩訳、河出書房新社)
脚本:山田洋次、朝間義隆
製作:名島徹
撮影:高羽哲夫
音楽:佐藤勝
美術:出川三男
録音:中村寛
調音:松本隆司
照明:青木好文
編集:石井巌
スチル:長谷川宗平
監督助手:五十嵐敬司
装置:小島勝男
装飾:町田武
衣裳:松竹衣裳
現像:東洋現像所
進行:玉生久宗
協力:東洋工業(マツダグループ)
製作主任:峰順一

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