愛と誠(2012年、角川・東映版)

愛と誠 コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]

【映画情報】

題名:愛と誠(あいとまこと)
リメイク:1974年の映画『愛と誠』、1975年の映画『続・愛と誠』、1976年の映画『愛と誠・完結篇』
ジャンル:ミュージカル・コメディ
監督:三池崇史
出演者:妻夫木聡、武井咲、斎藤工
製作会社:「愛と誠」製作委員会
配給:角川映画、東映
公開:2012年6月16日
上映時間:134分
製作国:日本
言語:日本語

【評価】

おすすめ度:64点(100点満点中)

【あらすじ・ストーリー・物語】

 財閥(お金持ち)のブルジョワ令嬢(お嬢様)である早乙女愛(武井咲)は幼い頃、スキーが滑走し危うく事故になりかけたのを太賀誠(妻夫木聡、幼少期: 加藤清史郎)に助けられる。

 名門の青葉台学園の生徒になっていた早乙女愛は新宿地下街で不良グループに絡まれたところを、上京していた太賀誠によって助けられる。札付きの不良になっていた太賀誠は乱闘の責任と問われ少年院へ送られる。額に一文字の傷がある太賀誠を見た早乙女愛は彼があの時の少年だと気がつき、父親の力を借りて彼を自分が通う青葉台学園へ編入させる。早乙女愛はそんな彼を愛すると誓い、校則違反のアルバイトをしてまで彼を支えようと献身的に尽くす。しかし、青葉台学園には彼女を愛する生徒会長の岩清水弘(斎藤工)がいた。

 結局、太賀誠は青葉台学園を退学になり、彼は不良たちの多い花園実業に編入する。太賀誠は入学直後から早速ガムコ(安藤サクラ)をリーダーとするスケバンたちと喧嘩沙汰を起こす。早乙女愛は太賀誠を追って花園実業に転校し、岩清水弘も早乙女愛を追って花園実業に転校する。太賀誠は花園実業の番長の座王権太(伊原剛志)と喧嘩で負けてしまう。

 その後、太賀誠は高原由紀(大野いと)と親しくなり、上京した目的が母親の太賀トヨ(余貴美子)への復讐だと打ち明ける。太賀誠は母親に会いに行き、踏切で電車に轢かれ自殺しようとする母と一緒に心中しようとする。しかし、母親が自分の名前を呼んだため、気が変わり心中するのを止める。

 高原由紀と親しくなった太賀誠は彼女に禁句の「悲しい女」を言ってしまう。花園実業の影の裏番である高原由紀の怒りを買った太賀誠は、花園実業の座王権太をはじめとする不良仲間とスケバンたちに処刑されることになってしまう。

【レビュー・感想・ネタバレ】

 本作は、私が子どもの頃よく読んでいた漫画の実写映画版である。私は1974年の映画『愛と誠』[大賀誠(西城秀樹)、早乙女愛(早乙女愛)]を映画館で見たのを覚えている。また、東京12チャンネル(現:テレビ東京)で1974年10月4日から1975年3月28日まで放送されていたテレビドラマ『純愛山河 愛と誠』[太賀誠(夏夕介)、早乙女愛(池上季実子)、全26話、東京ムービー製作]も見ていたのを覚えている。

  1975年の映画『続・愛と誠』[早乙女愛(早乙女愛)、太賀誠(南条弘二)]と1976年の映画『愛と誠・完結篇』[早乙女愛(早乙女愛)、太賀誠(加納竜)]についてはどうもはっきり覚えていないのだけれども、たぶん見たのではないかと思う。

 その『愛と誠』を実写映画としてリメイクしたと知って非常に興味を持った。原作漫画のファンだった私としてはぜひ見ておきたい作品だった。

 ところが、実際に見始めてみると、シリアスの極みともいえるあの『愛と誠』が1970年代の日本歌謡曲のミュージカルナンバーやダンスを用いたミュージカル調のコメディになっているのには驚いた。なるほど、現代では『愛と誠』をそのままのストーリーで演出してしまったら受けないかもしれないから、こんなふうに変換して転換したのかと納得はできた。反面、受け取りようによっては、原作の純愛や真摯さ、真剣さ、真面目さ、誠実などを茶化して馬鹿にして、原作を冒涜しているとしか受け取られかねないところもあり得るかなと思えた。

 私は最初太賀誠役を演じているのが妻夫木聡さんだとは気がつかなかった。武井咲さんがこんなコミカルな早乙女愛役を演じているのに意外性を感じた。それでも、可愛い早乙女愛ではあった。

 ラストの結末では、太賀誠は青葉台学園に編入した日に顔面にパンチを浴びせた教師の青田先生(前田健)にナイフで刺されてしまう。負傷した体で太賀誠は早乙女愛のいる病院へ行き彼女を抱き寄せそのまま死んでしまう。

【キャスト・配役・出演者】

太賀誠(妻夫木聡、幼少期: 加藤清史郎)
早乙女愛(武井咲)
岩清水弘(斎藤工)
高原由紀(大野いと)
ガムコ(安藤サクラ)
座王権太(伊原剛志)
青田先生(前田健)
太賀トヨ(余貴美子)
早乙女美也子(一青窈)
早乙女将吾(市村正親)

【スタッフ】

監督:三池崇史
原作:梶原一騎、ながやす巧「愛と誠」(講談社漫画文庫)
脚本:宅間孝行
エグゼクティブプロデューサー:井上伸一郎、椎名保
企画:伊藤秀裕、土川勉
製作:池田宏之、藤岡修、遠藤茂行、平城隆司、奥野敏聡、阿佐美弘恭、木下直哉、伊藤秀裕、堀義貴
プロデューサー:杉崎隆行、鷲頭政充、山崎美春
撮影:北信康
美術:林田裕至
装飾:坂本明
音楽:小林武史
録音:中村淳
音響効果:柴崎憲治
照明:渡部嘉
編集:山下健治
振り付け:パパイヤ鈴木
製作:「愛と誠」製作委員会(角川書店、ハピネット、東映、テレビ朝日、オー・エル・エム、NTTドコモ、木下グループ、エクセレントフィルムズ、コンセプトフィルム、ホリプロ)
配給:角川映画、東映

【楽曲】

主題歌:一青窈「愛と誠のファンタジア
エンディングテーマ:かりゆし58「笑っててくれよ」

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タグ:愛と誠 2012

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