感染列島

感染列島 [Blu-ray]

【映画情報】

題名:感染列島(かんせんれっとう)
ジャンル:パニック
監督:瀬々敬久
出演者:妻夫木聡、檀れい
配給:東宝
公開:2009年1月17日
上映時間:138分
製作国:日本
言語:日本語

【評価】

おすすめ度:54点(100点満点中)

【あらすじ】

 正月明けに市立病院に来院した男性患者の真鍋秀俊(山中聡)を診察した救命救急医の松岡剛(妻夫木聡)はインフルエンザの検査で陰性と出たので風邪だろうということで帰宅させた。ところが、翌日になってその男性患者の真鍋秀俊が緊急搬送されて来た。新型インフルエンザに類似する症状なのだが症状の原因がわからず死亡してしまう。そして、その妻の真鍋麻美(池脇千鶴)も同じ症状を発症する。さらに、真鍋秀俊を担当した救命救急医の安藤一馬(佐藤浩市)まで同様の症状で倒れてしまう。

 数日後、WHOからメディカルオフィサーの小林栄子(檀れい)が病院へ派遣されてくる。感染の拡大防止のため厚労省の管理下のもと小林栄子が病院の指揮を取ることになる。

 その頃、病院の近くで神倉章介(光石研)が経営している養鶏場で鳥インフルエンザに感染し死亡している鶏が発見され養鶏場の鶏が処分される。病院での感染原因は神倉章介の養鶏場ではないかとの疑いがかかり、神倉章介は娘の神倉茜(夏緒)を残して自殺してしまう。

 「ブレイム」と命名された感染は日本全国に広まってしまい、交通網が麻痺し、都市機能も停止状態になってしまう。

 松岡剛は真鍋麻美が無断で病院を退院したことから彼女が何か知っているのではないかと疑い、小林栄子と共に真鍋麻美の自宅へ行き話を聞き出す。そして、真鍋麻美の話す内容から日本へウイルスを持ち込んだのは父親の立花修治(嶋田久作)医師であることが判明する。神倉章介の養鶏場は関係なかったのである。

 松岡剛は病院の献体を無断で研究者の鈴木浩介(竹山隆範)に手渡す。また、松岡剛は畜産大学獣医学教授の仁志稔(藤竜也)と共に立花修治医師が働いていた東南アジアの国へ行き、小さな島で感染が広まっていたことを突き止める。島に残って調査を続けていた仁志稔はコウモリが原因であることを究明する。また、鈴木浩介(竹山隆範)もウイルスを発見する。そのおかげで、ワクチンが開発されることになる。

 しかし、ウイルスに感染した仁志稔は異国の地で亡くなる。同じ頃、小林栄子と神倉茜と看護師の三田多佳子(国仲涼子)も感染してしまい倒れてしまう。三田多佳子は夫の三田英輔(田中裕二)と娘の三田舞(松本春姫)を残して死んでしまう。小林栄子は血清療法に賭けるが死亡してしまう。松岡剛は神倉茜にも血清療法を試してみた結果、神倉茜は一命を取り止める。

 6カ月後、ワクチンが開発され感染は終息に向かう。

【レビュー・感想・ネタバレ】

 本作を見るのは今回で2回目である。1回目見るときは本格的なパニック映画を期待していたため見終わってがっかりさせられた。日本映画によくありがちなご都合主義のおかしな場面が多くツッコミどころ満載のリアリティの欠如した駄作になってしまっていたのである。今回は2回目になるのでがっかりすることはないものの感想は変わらないのを確認できた。

 未知のウイルスを題材にパンデミックを描いている本作は日本映画としては非常に珍しい意欲的な作品になるわけであるが、脚本と演出で台無しにしてしまっている。企画は良いのであるから作り手としてプロ意識があれば作り方によっては日本の映画史にも残る傑作にもなり得ただろうと思うと残念でならない。どこで誰がこんなふうな内容にしてしまったのかが気になるところである。

 本作で一番問題となる登場人物は立花修治である。自分が働いている島民が未知のウイルスに感染しているのにのこのこ日本へ帰国して来るなど医師としてあまりにも無責任である。

 また、仁志稔がいくらウイルスと共存する考えの持ち主だからといって、防御もせずに結局ウイルスに感染して死んでしまうなど専門化としては考えられない行為である。

 この映画で一番おかしいのは、松岡剛がなぜか感染していないことである。特に、仁志稔と一緒に島へ行ったときはちょっと考えられないような無防備な状態だった。

 人間関係のドラマも薄っぺらでほとんど心を動かされることがない。

【キャスト】

松岡剛[救命救急医](妻夫木聡)
小林栄子[WHOメディカルオフィサー](檀れい)
三田多佳子[看護師}(国仲涼子)
三田英輔[多佳子の夫](田中裕二[爆笑問題])
三田舞[多佳子の娘](松本春姫)
真鍋麻美(池脇千鶴)
真鍋秀俊(山中聡)
鈴木浩介(竹山隆範)
高山良三[院内感染対策主任](金田明夫)
神倉章介[養鶏業](光石研)
宮坂[救命救急医](宮川一朗太)
池畑実和[看護師長](キムラ緑子)
立花修治[麻美の父](嶋田久作)
田村道草[市役所保健課](正名僕蔵)
TVキャスター(吉川美代子)
TVレポーター(山中秀樹、武野功雄、仁藤優子)
古河克也[厚労省感染症情報管理室長](久ヶ沢徹)
看護師(津田聖子)
深見修造[市立病院長](田山涼成)
田嶋晶夫[厚労大臣](三浦浩一)
クラウス・デビッド[WHO西太平洋事務局](ダンテ・カーヴァー)
鈴木蘭子[看護師](馬渕英俚可)
柏村杏子[看護師](小松彩夏)
小森幹夫[研修医](三浦アキフミ)
神倉茜[章介の娘](夏緒)
本橋研一[茜の彼氏](太賀)
安藤一馬[救命救急医](佐藤浩市[友情出演])
仁志稔[畜産大学獣医学教授](藤竜也)

【スタッフ】

監督:瀬々敬久
脚本:瀬々敬久
プロデューサー:平野隆
企画:下田淳行
共同プロデューサー:青木真樹、辻本珠子、武田吉孝
音楽:安川午朗
ラインプロデューサー:及川義幸
撮影:斉藤幸一
照明:豊見山明長
美術:金勝浩一
録音:井家眞紀夫
編集:川瀬功
VFXスーパーバイザー:立石勝
スクリプター:江口由紀子
助監督:李相國
製作担当:藤原恵美子
製作:映画『感染列島』製作委員会(TBSテレビ、東宝、電通、毎日放送、ホリプロ、中部日本放送、ツインズジャパン、小学館、RKB毎日放送、朝日新聞社、北海道放送、中国放送、静岡放送、東北放送、Yahoo! JAPAN)

【楽曲】

主題歌:レミオロメン「夢の蕾」

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タグ:感染列島

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