【映画情報】
題名:TIME/タイム(たいむ、原題:In Time)
ジャンル:SFスリラー
監督:アンドリュー・ニコル
出演者:ジャスティン・ティンバーレイク、アマンダ・サイフリッド
製作会社:リージェンシー・エンタープライズ、ニュー・リージェンシー・プロダクションズ、ストライク・エンターテインメント
配給:20世紀フォックス
公開:2011年10月28日[米国]、2012年2月17日[日本]
上映時間:109分
製作国:アメリカ合衆国
言語:英語
【評価】
おすすめ度:85点(100点満点中)
【あらすじ】
未来の世界では遺伝子操作の恩恵によって人類は25歳になるとそれ以上年を取らなくり永久に生きることも可能にでなった。しかし、25歳以降の時間はお金で買う必要があった。それだけではなく、通貨は時間と交換でき、時間は通貨として流通するようになっていた。あらゆる取引の代金は通貨ではなく自分の持っている時間で支払う必要があった。自分の持ち時間は左腕の前腕に緑色の数字で表示されているので、自分の残された時間も分かってしまう。左腕の前腕数字が0になると同時に死亡する。時間はお金で補充することもできるし、他人から時間も分けてもらうこともできるし、自分の時間を他人に分けることもできる。
世界は富裕層が住む地域と貧困層が住む地域とに段階的に分かれていた。富裕層は長生きができ、貧困層は労働の対価としてわずかながらの賃金としての時間をもらいながらその日暮らしの生活を送っていた。
スラム街で住むウィル・サラス(ジャスティン・ティンバーレイク)は富裕層のヘンリー・ハミルトン(マット・ボマー)という男を助けたことから117年という時間をもらうが、男は長く生きることの苦しみから逃れるため自殺してしまう。ウィル・サラスは男からもらった時間を母親のレイチェル(オリビア・ワイルド)に分けようとするが、ほんの1秒だけ間に合わず目の前で死んでしまう。貧乏人の不幸な運命と理不尽な体制に怒りをおぼえたウィル・サラスは、この世界の体制に立ち向かい制度を破壊する決意をする。そして、この世界の仕組みの謎を調べるため、最上級の富裕層が住む富裕ゾーンへと行くためタイムゾーンを超える。
ウィル・サラスは富裕ゾーンで大富豪のフィリップ・ワイス(ヴィンセント・カーシーザー)とその娘のシルヴィア・ワイス(アマンダ・サイフリッド)と出会う。シルヴィア・ワイスは富裕層にはいないタイプのウィル・サラスに興味を持つ。シルヴィア・ワイスは父親がつけてくれたボディガードに守られなが不用意な不注意で死なないように注意しながら生きる生活に退屈し飽き飽きしていたからだ。
一方、時間を監視する時間監視局員のレオン(キリアン・マーフィー)等は、富裕層のヘンリー・ハミルトンの死亡原因を調査するうち、ウィル・サラスが殺害したのではないかとの容疑を持つ。そして、大富豪のフィリップ・ワイスの邸宅に乗り込む。時間監視局員に持ち時間のほとんどを奪われたウィル・サラスはシルヴィア・ワイスを人質に取って逃亡を図る。果たして二人の運命は・・・?
【レビュー・感想・ネタバレ】
この映画は人類が25歳以上年を取らない不老が実現し、時間が通貨となった世界という、これまでにない斬新な物語の設定が非常に面白かった。
映画の最初に50歳になるウィル・サラスの母親であるレイチェル・サラスが登場するのであるが、それがどう見ても息子であるウィル・サラスの恋人としか思えない若くて美しい容貌と外見なのである。この女性が50歳なのか・・・とつくづく思いながら彼女をじろじろと注意深く見つめてしまった。観客を映画の世界へ引き込むのに上手い出だしだなと感心した。
富裕ゾーンからスラムゾーンへ逃亡したウィル・サラスとシルヴィア・ワイスはスラムの貧しい人々に時間を分け与えるために銀行や消費者金融の店舗へ押し入り時間強盗を働くようになる。それは、単なる窃盗や強盗に留まるものではなく時間管理を崩壊させる目的の体制を否定する革命ともいえる活動であった。その途中、ギャングや時間監視局員のレオンに追い詰められ時間を奪われたり、時間がなくなりそうになるが、何とか相手を倒し逃げおおせる。映画のラストでは二人が銀行の前で今まさに銀行強盗しようとする場面で終わる。
全体のストーリーも上手く考えられていて楽しむことができた。未来にはこんな時代や世界がやって来るかもしれないという感じさせてくれる。映画で描かれている世界が来ないようにしなければならないが、現代でも富裕層と貧困層がいるのは映画の世界と変わらない。本作は、より良い社会とはどのような社会なのか考えるきっかけにもなる映画だと思える。
なお、本作は映画レビューなどではかなりの不評を買っている。その大きな原因は日本語の吹き替えにあるようである。私は字幕で見たのでまったく問題なく見ることができた。吹き替えの日本語でちょっと見てみたのであるが、確かにおかしさを感じた。なので、本作を見る場合は英語を見たほうが良いと思う。
【キャスト】
ウィル・サラス(ジャスティン・ティンバーレイク)
シルヴィア・ワイス(アマンダ・サイフリッド)
タイムキーパー・レイモンド・レオン(キリアン・マーフィー)
レイチェル・サラス(オリヴィア・ワイルド)
ヘンリー・ハミルトン(マット・ボマー)
フォーティス(アレックス・ペティファー)
ボレル(ジョニー・ガレッキ)
フィリップ・ワイス(ヴィンセント・カーシーザー)
マイア(シャイロ・オーストワルド)
ジャスミン(クリスティアン・カステジャーノス)
カレラ(レイチェル・ロバーツ)
コンスタンティン(イーサン・ペック)
グレタ(ヤヤ・ダコスタ)
マイケル・ワイス(ベラ・ヒースコート)
タイムキーパー・コース(トビー・ヘミングウェイ)
レビ神父(オーガスト・エマーソン)
クララ(サーシャ・ピヴォヴァロヴァ)
エデゥアール(ジェシカ・パーカー・ケネディ)
タイムキーパー・イェーガ(コリンズ・ペニー)
ニクソン(クリストフ・サンダース)
【スタッフ】
監督:アンドリュー・ニコル
脚本:アンドリュー・ニコル
製作:マーク・エイブラハム、アンドリュー・ニコル、エリック・ニューマン
製作総指揮:アンドリュー・Z・デイヴィス、エイミー・イズラエル、クリステル・ライブリン
音楽:クレイグ・アームストロング
撮影:ロジャー・ディーキンス
編集:ザック・ステンバーグ
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