【映画情報】
題名:帰郷(ききょう、英題:Homecoming)
ジャンル:家族ドラマ
監督:西河克己
出演者:森雅之、吉永小百合、高峰三枝子
製作年:1964年
封切日:昭和39年8月14日
配給:日活
製作国:日本
言語:日本語
【評価】
おすすめ度:70点(100点満点中)
【あらすじ】
キューバの動乱のさなか画商の高野左衛子(渡辺美佐子)の裏切りによる密告でキューバ革命に協力したとして体制側に捕らえられ死亡したとされていた元外交官の守屋恭吾(森雅之)が生きていて日本へ帰郷してくる。守屋恭吾には妻の守屋節子(高峰三枝子)と娘の守屋伴子(吉永小百合)がいたが、夫が死んだと思っていた妻は大学教授の隠岐達三(芦田伸介)と再婚し娘も義父を父親と思い家族として仲良く暮らしていた。そんな一家に守屋恭吾の帰郷は思わぬ波紋を投げかける。
【レビュー・感想・ネタバレ】
この映画では、主要な登場人物の置かれた立場とそれぞれの感情や態度がうまく描かれている。
実父である守屋恭吾は日本へ帰郷したら妻が再婚しており娘のその再婚相手の娘になっており、元妻と娘の幸せを思い妻子との連絡を絶とうとする。
義父である東応大学教授の隠岐達三は社会的地位もあり学者としてもそれなりに著名な人物であるにもかかわらず、自分に自信がないのか性格的に弱い面を持ち、妻子が守屋恭吾と接触を持つことを嫌がる。
妻の守屋節子は再婚相手の隠岐達三の考えや気持ちがよく分かるため、夫に気を遣い今回の件については遠慮して何事も夫の意向に沿うよう控えめな言動を取る。
娘の守屋伴子はそんな母親の気持ちが痛いほどよく分かっており、母親のために自分の気持ちを抑えて行動する。しかし、やはり実の父親に会ってみたかったのか、守屋伴子は奈良まで実父に会いに行く。実父の記憶がなかった守屋伴子であったが、実際に実父に会ってみると父親を恋しがる気持ちが芽生える。実父が日本を離れると知らされた守屋伴子は、義父に空港へ会いに行くように促されるも、結局現在の家族を思って会いにいかずに終わってしまう。
この映画では、隠岐達三の感情が物語の焦点になっている。守屋恭吾も、守屋節子も、守屋伴子も、隠岐達三の感情を害しないように、意向に反しないように気を配っているからだ。それがあるからこそ、守屋恭吾と守屋伴子の父娘の情愛が浮き彫りになってくるからである。
【キャスト】
守屋恭吾(森雅之)
守屋伴子(吉永小百合)
守屋節子(高峰三枝子)
隠岐達三(芦田伸介)
岡部雄吉(高橋英樹)
高野左衛子(渡辺美佐子)
牛木剛(宇野重吉)
岡村俊樹(檀太郎)
バ氏(M・ゴンザ・レス)
スリマン刑事(T・カーリントン)
古文堂の店員(神山勝)
編集長(森塚敏)
ハバナ警察の巡査A(T・ベニヤン)
ハバナ警察の巡査B(A・ガルシア[ガンヤン?])
奈良の旅館のおかみ(原恵子)
奈良の旅館の女中(堀恭子)
【スタッフ】
監督:西河克己
原作:大佛次郎(毎日新聞連載、新潮社版)
脚色:馬場当、西河克己
企画:山本武
撮影:横山実
美術:佐谷晃能
音楽:池田正義
録音:橋本文雄
照明:河野愛三
編集:鈴木晄
スチール:目黒祐司
助監督:村田啓三
色彩設計:北泉社
現像:東洋現像所
製作担当者:亀井欽一
衣装提供・市田株式会社
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